腎臓の左右にできた結石を砕こうと、去年の暮れからいろいろやっているのですが、なかなかスッキリしません。じゃあスッキリいくように、ここはひとつ神さま、仏さまに頼ってみましょう。
ん? 何かおかしいですか?
意外にない「結石にご利益のある」神様・仏様
ということで、まずはネットで検索してみます。結石で悩む人は多いでしょうから、それを売り(失礼)にした神社仏閣がズラリと並ぶはずです。しかし…ほとんど出てきません。どうしてでしょう?
神さま的には、こんなとこでしょうか?
そんな中、検索でヒットしたのは「大龍寺」さんです。それを教えてくれたのは「神社仏閣に馳せる思い」さんです。ありがとうございます。記事によると、
京都府京都市にある寺院、大龍寺。
通称うっさんとも呼ばれて人々から親しまれています。ここの寺院に祀られている神様はうすさま明王です。
以前は花街にあったことから女性の病気を治すというご利益の信仰がありました。
うすさま明王はもともとインドの炎の神様で不浄なものを焼き払ったとして今ではトイレや下半身の神様として有名です。トイレに関する、頻尿や血尿、尿管結石などの病気にご利益があるとして
毎年、多くの人々に参拝されています。
と、いうことです。なるほど、泌尿器科系の病気に霊験がある、ということでしょうか。お寺でも神様なんですね。
ところで大龍寺のホームページはあるのでしょうか? 検索すると、ご自身のホームページはお持ちでないようでしたが、「京都観光Navi」に紹介が載っていました。
そのページには、ここに祀られる「うすさま明王」が「トイレの守り神様」であるとの紹介はありましたが、病気にご利益があるとは載っていませんでした。ふむ…では、ご利益を授けてくださるうすさま明王で検索してみます。すると…ありました。検索のトップはウィキペディアです。何でも載ってるなあ。漢字では「烏枢沙摩明王」と書くそうです。
ウィキの中でも、
特に有名な功徳としては便所の清めがある。
と書かれています。さらに、
静岡県伊豆市の明徳寺では、烏枢沙摩明王を祀っており、下半身の病に霊験あらたかであるとの信仰がある。
と、あります。じゃあ結石も「下半身の病」に入る、ということでいいのでしょうか? ではここで、改めて大龍寺さんへ問い合わせてみましょう。
結石治癒のご利益はない?
電話口に出られたのは、ご住職かと存じます。結石治癒に功徳はあるのですか? という問いに、いやいや、うすさま明王はそういった具体的な病気を治してくれる、という類のものではないでしょうねぇ、と。
ああ、そうなのですか。ただ、人がそうだと信じて、うすさま明王を信仰して、お参りした結果、そういうなんらかの病気が治癒した、そんな結果が自然と現れることがあるかもしれない、信仰とはそんなもんだと思いますよ、とのことでした。
なるほどそうですよね。神さまを信用しないわけではないですが、願掛けをする人も、心の底から絶対に願いが叶えられるとは思っていないはずです。それでも、なんとなく信じて、なんとなく心の拠り所になっている。願いが叶えば感謝するし、叶わなくても恨んだりしない。ユルい感じが日本の神ですね。
大龍寺に向かいます
大龍寺については、どうやら「結石治癒にご利益がある」とは明確に言い切れないようです。でも、自分で勝手に信じて拡大解釈するのはいいんじゃないかしら? うっさん迷惑ですか? どちらにしろ、こうなったら一度、大龍寺へ行ってみましょう。
大龍寺の住所は京都市右京区梅ヶ畑高鼻町37です。公共交通機関はバスしかありません。
国道162号線です。最寄りのバス停は「高雄病院前」。見ての通り観光地ではありません。ちょっと先にローソンがありますね。
大龍寺への曲がり角に看板が出ています。見ると「諸願成就・諸難消滅」とあります。つまり、ざっくり何をお願いしてもいいという意味ですよね? じゃあこの際、結石も、痛風もアリということにしちゃいましょう。
門の前に来ました。石柱に「烏枢沙摩(うすさま)明王」の文字。
カッパ? これは、歌舞伎役者の二代目中村鴈治郎が奉納したものだそうです。なぜカッパなのかはわかりません。
外からはよくわかりませんが、お堂の中にうすさま明王がおられます。
お札を頂きました。トイレの神様ですから、トイレに貼るお札。1枚500円。汚れないように半紙などで包んで、胸より上の高さに貼ります。その際、北に向けてはダメとのこと。つまり南側の壁に貼ってはいけないということです。
文面によると、
とあります。とにかくトイレをきれいにしなさい、と。これだけ読むと、結石にもご利益ありそうですが…?
「明王の大圓満符」は祈願のお札のことだと思うのですが、そちらも作って頂くことにしました。こちらは3,000円。
願い事は、具体的に結石・痛風の完全治癒祈願にしようかと思ったのですが、電話でご住職に、そういうもんじゃないですよ、と言われていたので、ざっくり「身体健康」としました。
でも、ご対応してくださった方からは、どんな願い事でもいいですよ、と言われたので… 結局「結石が治りますように」でもよかったみたいです。ご住職の言葉とちょっとニュアンスが違うような気がしますが、まあ、気にしません。両方アリなのです。
祈願のお札は、一週間ほどかかるということです。郵送もしてもらえるのですが、来月にお祭りがあるそうなので、そこでもう一度伺って、直接頂くことにしました。
結石の人も、痛風の人も、ココを見て大龍寺に行きたい! と思う人は少ないでしょうが、もし行かれる時は、先に連絡を入れて、誰かいることを確認してからの方が良いようです。境内への出入りは自由ですが、人が出払っていることがあるので、そうしないとお札が貰えません。
京都 梅ヶ畑 高鼻町 八部山 大龍寺(だいりゅうじ) 075-881-1121
ということで、信じるものは救われる(かもしれない)、というお話でした。何に対してご利益があるとか無いとか、細かいことを気にする必要はないのです。たぶん。
ちなみに…大龍寺から162号線を東南へ少し下っていくと「やまざき」というお店があって、うどんとか、丼とかおいしいです。庭もきれいで店内も広々してます。
さらに少し下ると「桃花春(とうかしゅん)」というラーメン屋さんがあります。ここはとてもおいしいです。並ぶのが苦にならない方はどうぞ。