《痛風外来》04〜腎臓結石の手術後、痛風の薬物治療を開始・トピロリック20mg

トピロリック

結石の手術を終え、退院してから初めての痛風外来です。前の痛風外来からひと月ちょい。本来の「痛風日記」に戻ります。
痛風の治療を始めるのは腎臓結石の治療に影響がないように、ちゃんと結石の除去が終わってからにしようか、と先生に言われていました。左腎臓の結石は取ってもらいましたが、右の方はまだ残ったままです。痛風治療は始めることができるのでしょうか?

まずいつものように診察の1時間ほど前に採尿、採血を行います。検査結果が出るのに合わせて診察です。
前回の尿酸値は10.5mg/dLという今までにない高い値でした。しかし今回は7.3mg/dLと標準以上ではあるものの、かなり下がっています。何か薬飲んだ?と先生に問われますが、もちろんなんにも飲んでません。結石の手術から退院して3日間は抗生剤を飲んでいましたが、別に関係ないですよね?
尿酸値増減の理由はわかりませんが、10.5mg/dLは私の印象としては高すぎる値で、過去の数値を見るとだいたい7.0〜8.0mg/dLくらいに収まっているはずです。あくまで個人的な感覚ですが。
でも、この7.0〜8.0mg/dLの数値って、そんなに高い値ではないンですよね。なぜ痛風発作がおこったのか、今となっては不思議な気もします。が、いろんな例があるということでしょう。そんなの絶対ありえない、とは言い切れないのです。

腎臓結石の方はどうなったかを聞かれます。まだ右腎臓の治療が残っていること、それは体外衝撃波結石破砕術(ESWL)で除去すること、などを伝えます。で結局、結石は終わってないけども、痛風の治療もそろそろ始めてみようか、ということになりました。

治療とは薬物治療です。尿酸値を下げる薬(尿酸降下薬)「トピロリック」を使います。日本で創られて2013年に発売された、新しい薬です。トピロリックは商品名で、薬自体はトピロキソスタットという名前だそうです。

[一般名]トピロキソスタット →[商品名]トピロリック(富士薬品)
               →[商品名]ウリアデック(三和科学研究所)

ということのようです。トピロリックの富士薬品のホームページによると、

本剤は、非プリン型の基本骨格を有するキサンチンオキシダーゼ阻害剤であり、プリン体の最終代謝産物である尿酸の生成に関与するキサンチン酸化還元酵素(XOR)に対し、選択的かつ可逆的な阻害作用により、尿酸の生成を抑制して血中尿酸濃度を低下させます。

富士薬品 トピロリック錠新発売のお知らせ より

つまり…どいうことでしょう?
痛風の原因となる「尿酸」は「プリン体」から作られます。が、プリン体がいきなり尿酸に変わるのではないようです。プリン体は「ヒポキサンチン」という物質に変化し、さらに「キサンチン」という物質に変化して、その次に尿酸になります。その変化のときに働くのがキサンチンオキシダーゼという酵素なのだそうです。

プリン体
 ↓
ヒポキサンチン
 ↓ ←[キサンチンオキシダーゼが作用
キサンチン
 ↓ ←[キサンチンオキシダーゼが作用
尿酸

と、こんな感じみたいですね。
このキサンチンオキシダーゼという酵素に着目し、その働きを邪魔するために創られたのが「トピロキソスタット」という薬です。尿酸を作る酵素の邪魔をすれば当然、尿酸が作られにくくなって、尿酸値も下がる、という案配です。

この「トピロキソスタット」はいわゆる「尿酸産生過剰型」タイプの人に有効な薬です。尿酸の産生を抑える薬なので、尿中の尿酸も減ることになります。そうすると尿酸が結晶化してできる結石のリスクも減るので、まさに今の私向きです。
「尿酸排泄低下型」タイプの人には、腎臓に作用して尿酸の排泄を促す薬があって、現在は「ベンズブロマロン」という薬が主に使われています。これは尿中の尿酸量が増えるので、結石ができるリスクが高まります。つまり今の私向きではありません。

で、今回はトピロキソスタットの商品名「トピロリック」を処方してもらいました。トピロリックには1錠20mg、40mg、60mgの3つがあって、私が処方されたのは20mgです。いちばん弱いやつです。これは通常、1日2回朝夕に飲むらしいのですが、私が処方されたのは朝の1回分だけで、それをひと月分30錠。かなり緩いです。これは、尿酸値を急に下げると痛風を発症させることがあるので、最初は緩く使い始めるのが鉄則とされているからです。それにしても緩い分量なのは、腎臓への影響も考慮してくださったからでしょう。もともと腎臓への影響が少ない薬のようですが、気をつけるに越したことはありません。さらに現状、尿酸値がそれほど高くないことも理由のひとつかもしれません。先生曰く、これから1年近くかけてジワジワ尿酸値を下げていくそうです。気の長い話です。

なんだかんだで痛風の治療を始めるのに、発症から半年ほどたってしまいました。途中で発覚した結石のせいです。しかしその間、痛風が再発しなくて本当によかった。結石の入院中にあの激痛が起こっていたらと思うとゾッとします。病院で起こるなら対処も早かったかもしれませんが、病気がダブるのはやっぱり嫌ですね。今後も再発しないように願います。いや、気をつけます。