[痛風の本]ヨーロッパ文化と日本文化〜 安土桃山時代、日本には痛風がなかったと記した宣教師 ルイス・フロイスの記録

砂の本

ヨーロッパ文化と日本文化
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西欧で紀元前からよく見られた痛風は、日本では非常に稀な病気で、最初に日本で痛風が報告されたのは、ようやく明治31年になってからでした。

安土桃山時代に宣教師として来日したルイス・フロイス、明治維新後にお雇い外国人として来日したエルウィン・ベルツはともに日本には痛風がないと書き残していたようで、そのことは痛風関連の本やサイトなどでよく引き合いに出されます。

それなら『痛風初心者』としては、どこに「痛風」が記されているのかを確かめておかねばなりません。読む動機としてはそれだけで、正直フロイスが書き残した内容や歴史的価値に惹かれたというわけではないので、結局パラパラとしか読んでいません。歴史好きの方申し訳ありません…


『日本史』目次

『日本史』目次

ルイス・フロイスの著作『完訳フロイス日本史』は文庫で12巻もあります。この量に読む前から挫折です。目次で見当をつけてページを開いてみますが「痛風」は見つからず、病気についての見出しを選ぶも「痛風」とは関係がなく…結局見つけられませんでした。

でも、もしかしたら熱心な方がブログで紹介しておられるかもしれないと思い、ネットを漁ると、どうやら痛風について書かれているのは『日本史』ではなく、フロイス著でも『ヨーロッパ文化と日本文化』という本だったようです。勘違いしてました…。しかしどこかで『日本史』に記述アリと見た気がするのですが、『日本史』を全部読まれた方、ご存知であれば教えてください。いや自分で読めよ!とのツッコミはできればナシで…

『ヨーロッパ文化と日本文化』は、ヨーロッパと日本の日常、風俗、文化など様々なことを1つずつ短い文章で対比させるという構成で、痛風については p131 第九章「病気、医者および薬について」に書かれています。

われわれの間では瘰癧(るいれき)、結石、足痛風およびペストがおこり易い。すべてこの種の病気は日本では稀である。

という具合です。確かに痛風は稀だと書かれています。「痛風研究の歴史」にも引用させてもらいましたが、完全に「痛風は無い」とまでは言い切っていないので、断定的に引用してはいけないのかもしれません。

フロイスのサイン

ルイス・フロイスの署名

ちなみに、フロイスと同時代、日本一の名医と言われた曲直瀬道三(まなせ どうさん)という人物が『完訳フロイス日本史3』p180-191 第五九章(第二部七〇章)に登場します。道三は『啓迪集(けいてきしゅう)』という書物の中で痛風のことに触れていて、これは今確認できる日本の書物のなかで2番目に古い痛風の記述です。道三はキリスト教の洗礼を受けるのですが、それに至るまでのことが『日本史3』に詳しく述べられています。「痛風研究の歴史」と「曲直瀬道三について」のページでもちょっとだけ、触れさせてもらってます。