痛風・高尿酸血症の合併症①

紅葉0389

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痛風・高尿酸血症の合併症 〜 尿酸がひきおこすもの

痛風のベースにある高尿酸血症は、尿酸値が7.0mg/dL以上のことをいいます。尿酸値が高くなりすぎて尿酸が結晶化し、それが関節などにたまっておこるのが痛風です。

しかし増えすぎた尿酸=高尿酸血症がおこすのは痛風だけではありません。合併症として「腎障害」や「尿路結石」もおこすので注意が必要です。
ただ近年ではより精度の高い治療法、予防法のおかげで痛風から死に至るようなケースは非常に稀になっています。でも、油断していいというわけではありません。

他にも高尿酸血症と合併しておこる病気として「糖尿病」「高血圧症」「脂質異常症」「動脈硬化症」「心血管障害」「脳血管障害」など、いろいろ重たいものがあります。これは生活習慣病として互いに影響がある合併症ということで、次の「痛風・高尿酸血症の合併症②」 「痛風・高尿酸血症の合併症③」にまとめたいと思います。

高尿酸血症がおこす腎臓の病気

腎臓は血液から老廃物や有害物質を濾過し、尿をつくり、排泄することで血液を浄化する器官です。
血液によって腎臓に運ばれた老廃物や有害物質は「糸球体(しきゅうたい)」という部分で濾過されます。ここでできた「原尿」は「尿細管」に流れ込み、必要な成分は再び血液に戻されて、不要なものは尿として排泄されます。
尿酸も腎臓で濾過されて、そのうち約9割が再吸収され、約1割が尿とともに排泄されます。

腎障害〜痛風腎・慢性腎臓病・慢性腎不全

高尿酸血症とは血液中の尿酸の量が増えた状態で、尿酸の濃度が高くなり、尿酸塩結晶ができやすくなります。尿酸が増えると腎臓に送られる尿酸の量も増えるので、腎臓にも尿酸塩結晶ができやすくなります。それが沈着して炎症をおこし、腎機能を低下させるのが「痛風腎」です。ですがこれは最近ではあまりみられません。

痛風腎だけでなく、例えば糖尿病や高血圧なども加わって腎臓のはたらきが60%以下に低下すると「慢性腎臓病(CDK)」という状態になります。

腎臓はがまん強い臓器なので、機能が低下してもなかなか自覚症状があらわれません。さらに放置した場合「慢性腎不全」となり、体内の老廃物が排泄されなくなり、有毒な物質が全身にまわって「尿毒症」をひきおこします。

かつては痛風腎から尿毒症になり命を落とす例が少なからずあったそうですが、近年ではその前に治療されることがほとんどなので、死にいたるような例はほぼないそうです。

尿路結石

痛風とおなじく、とても痛いヤツです。

尿路結石にはいくつか種類があって、尿酸からできたものを「尿酸結石」、シュウ酸カルシウムやリン酸などからできたものを「カルシウム結石」といいます。高尿酸血症では両方ができやすくなります。

血液中の尿酸が多いと腎臓にも多くの尿酸が送られてくるので、尿酸の結晶ができやすくなります。この結晶が大きくなって「結石」がつくられます。
高尿酸血症では尿の酸性度が高くなることがあり、尿酸が尿にとけにくくなるので、さらに結晶から結石をつくりやすくします。

結石が腎臓の中でとどまっていればとくに痛みはないのですが、これが尿に流されて尿路のどこかにつまったとき、激しい痛みがおきます。

…尿路結石の痛さはまさに七転八倒モノです。痛みもそうですが、前触れなくおこるところも痛風と似ていい勝負です。痛さに悶絶して這うように病院へ向かいますが、つくころにはケロリとおさまっている…というのが私のパターンでした。そのころ結石は尿管を通って膀胱までおりていました。

痛さの持続時間などはそれぞれ個別に差がありますが、3〜4時間は痛みがつづくそうです。痛風よりはるかに短い時間ですが、痛さの密度?では結石がまさるかもしれません。両方ともゴメンこうむりたいものです。


高尿酸血症の合併症のなかで尿酸が増えすぎておこるものに、これら「腎障害」「尿路結石」があります。そのほかの合併症は次の「痛風・高尿酸血症の合併症②」と「痛風・高尿酸血症の合併症③」にまとめたいと思います。主に生活習慣病として高尿酸血症と併発する可能性が高い病気です。中には死につながる病気もあるので要注意です。

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