関節が痛む病気は痛風以外にもあります。「痛風がおこりやすい場所」「痛風の症状と応急処置」では痛風の特徴として、
・ほぼ男性におこる
・夜中から明け方の時間におこることが多い
・9割が膝から下の関節、初めてのときは7割が足親指付け根におこる
・ほぼ1ヶ所のみでおこる
・突然激しく痛み、赤く大きく腫れる
・1〜2週間でおさまる
などをあげましたが、逆に言えば例外として、
・女性にもおこる
・日中におこることがある
・手指、手首、ひじ、肩などにおこることがある
・複数ヶ所でおこることがある
・痛みが大きくない場合がある
ということもありえるのです。
症状が似ていたとしても痛風ではないかもしれませんし、痛風かと思えば違う病気であるかもしれません。自己判断は禁物です。痛みがおこったときはちゃんと病院で検査を受けることが肝心です。
関節リウマチ
関節リウマチは痛風とおなじく関節で炎症をおこし、痛みや腫れがおきます。
手指、手首、ひじ、肩など上肢におこることが多く、2ヶ所以上の関節が同時に、または次々に痛み出し、体の左右対称に痛むことがよくあります。
突然激痛がおこる痛風と違い、じわじわと痛みがはじまり、全身に広がって長期にわたる痛みが複数ヶ所でつづきます。
男女比は1:4で女性に多く、20〜40歳代にもっとも多くみられます。
変形性関節症
変形性関節症は、軟骨が加齢や肥満などによってすり減り、骨と骨とが直接接触して関節が変形し、炎症をおこす病気です。
もっともおこりやすいのはひざ関節で、股関節、手指の関節にもおこります。
痛みは痛風ほどではありませんが、自然におさまることはありません。安静にしていれば痛まず、関節を動かすと痛みます。関節の変形が進めば痛みも強くなっていきます。
男女比は1:4で女性に多くみられます。
偽痛風(ぎつうふう)
偽痛風はその名のとおり、痛風のように突然関節が腫れて痛みだす病気です。半数以上がひざでおこり、痛風のように足親指の付け根におこることは稀です。そのほか手や足の関節にもおこります。
発症のメカニズムが痛風と似ており、関節の軟骨に沈着したピロリン酸カルシウムの結晶が関節腔にはがれ落ちて炎症をおこします。
痛みは痛風ほどではありませんが、発作が繰り返しおこります。60歳以上の高齢者に多く、男女差はほとんどありません。
化膿性関節炎
化膿性関節炎は、ブドウ球菌や結核菌、大腸菌などの細菌が関節の中に入り込み、関節が化膿して炎症をおこす病気です。関節が激しく痛み、赤く腫れて熱をもちます。
足親指の付け根や足首、ひざなどにおこったときは痛風との見きわめがむずかしいこともあり、その場合は関節液を採取して、細菌の有無を調べて判断します。
外反母趾(がいはんぼし)
外反母趾は、先のとがったハイヒールなど窮屈な靴をはき続けるとおこります。足の親指が小指側に向かって曲がり、付け根が腫れて痛みます。女性に多い病気です。
親指の変形がひどくなると激しく痛むことがあり、症状が痛風と似ているのですが、尿酸値の検査やX線検査で判断がつきます。
回帰性リウマチ
回帰性リウマチは、関節炎を周期的にくり返す病気です。
手、手指、ひじ、肩、足、ひざの関節によくおこり、まれに股関節にもおきます。基本的には1つの関節で発症します。患部は赤く腫れて強く痛み、数日から1週間で自然におさまる場合と、関節リウマチに移行する場合とがあります。
20〜50歳代でよくみられ、男女に差はありません。原因はよくわかっていませんが、遺伝子が影響しているとみられています。