痛風発作がおきるしくみ

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血液中の尿酸が何らかの理由によって増え、その量が7.0mg/dL以上の状態を高尿酸血症といいます。この高尿酸血症が痛風の基礎になります。

血液中の尿酸が増える理由はすべてが明らかになっているわけではありませんが、「尿酸増加のタイプと原因」「尿酸増加の原因:補足」にそれをまとめてあります。

尿酸は血液に溶けにくい物質で、7.0mg/dL以上になると飽和状態になります。増えすぎて血液に溶けきれない尿酸は体内へとあふれ出て、ナトリウムと結びつき結晶になります。それを尿酸塩結晶といいます。尿酸塩結晶は関節や腎臓の中に少しずつたまっていきます。

尿酸塩結晶が関節や臓器にたまっていく(=沈着(ちんちゃく)する)ことを「尿酸塩沈着症」といいます。痛風や痛風腎、痛風結節、尿路結石などは尿酸塩沈着症の内のひとつです。

数ヶ月〜数年、尿酸塩結晶は少しずつ関節の中にたまっていきます。それだけなら何もおきないのですが、たまった尿酸塩結晶があるきっかけで骨と骨の間の関節腔(かんせつくう)にはがれ落ちたとき、免疫細胞である白血球が反応し、これを排除しようとします。

白血球は尿酸塩結晶を排除するために自分の細胞内に取り込みます。これを貪食(どんしょく)といいます。そのとき多くの生理活性物質を放出します。

人はもともと尿酸を分解、排除することができないので、白血球は尿酸塩結晶を貪食するものの排除することができず、自滅します。白血球から放出された生理活性物質の中には、炎症をおこして異物を排除するしくみのものがあり、それが尿酸塩結晶に反応して炎症をおこします。しかし尿酸塩結晶は排除されることはないので炎症のみがつづくことになります。

さらに、これらの生理活性物質によって、ほかの白血球が呼び寄せられます。そうすると白血球による尿酸塩結晶の貪食、自滅、生理活性物質による炎症、さらに白血球を呼び寄せる、ということがくりかえし短時間のうちにおこります。これが、あの激烈な痛みを生む痛風発作のしくみというわけです!

わかったところで一句。

ああ痛い、痛い痛いよ、また痛い。

(再発しないよう気をつけましょうね)

痛風発作がおこるきっかけ
痛風発作がおこるきっかけ
痛風発作がおこる直接のきっかけ 尿酸値が7.0mg/dLをこえて高尿酸血症になると、尿酸が結晶化して関節に沈着していきます。関節に沈着した...

【参考】
『高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン(第2版)』(日本痛風・核酸代謝学会ガイドライン改訂委員会 編集/メディカルレビュー社/2010年)
『最新醫學別冊 診断と治療のABC 105 高尿酸血症・痛風』(寺井千尋 企画/最新医学社/2015年)
『患者のための最新医学 痛風・高尿酸血症』(日高雄二 監修/高橋書店/2014年)
『ウルトラ図解 高尿酸血症・痛風』(細谷龍男 監修/法研/2015年)

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